キラキラ輝くレディース vol.8
2018年02月02日
「おしゃれを楽しんで」
株式会社エヌ・スタイル 代表取締役
流田 尚子さん
有料老人ホームや介護施設などを訪問し洋服を販売する。普段なかなか買い物に行くことのできない利用者に、服を選ぶショッピングの楽しさを提供している。
創業百二十五年の婦人服卸売業・ウシオ?が前身。十年前、会社を閉じた父から引き継ぐ形で今の会社を立ち上げた。一年目は順当な滑り出しを見せたが、取引相手の景気に左右され徐々に売り上げが低迷した。
打開策になればと、卸売業の傍らで新規にスタートさせたのがシニア世代向け衣料品の移動ブティック事業だ。
施設や病院に飛び込み営業したり知人から紹介を受けたりして、訪問実績は約40カ所。広島県内だけでなく、山口県や岡山県へも出向いている。二カ月に一度や年に四回季節ごとに訪問する施設もある。「事業のきっかけは会社の売上補填だったが、訪問販売で対面する利用者がとても喜んでくれた。今ではやりがいになっている」と、目を細める。
上質な素材の服から日常着までさまざまな商品を取りそろえる。脱ぎ着しやすい前開きカーディガンやベスト、今の季節に好まれる暖かい素材のパンツなど、 持っていく服の選択に頭をひねる。トップス、ボトムス、靴下のほか、移動販売を知った他社がさらには肌着・下着、紳士服などを委託してくれるようになり商品のバリエーションが増えた。新しいチャレンジが縁を広げている。
「おしゃれはいつまでも女性の心を明るくしてくれる処方箋のようなもの。これからもシニア世代のハッピーエイジングをお手伝いしたい」。利用者の笑顔を増やすため、訪問先開拓に力を注ぐ。