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3・11被災者の思いは
紙芝居作家の福本英伸さん話す
「人間関係壊す放射能災害」
鈴が峰公民館で

2018年03月16日
福本さんの話と作品鑑賞などして今後について考えた
 
 【西区】「放射能災害は、地域を分断し人間関係を壊す。自然災害とは違う」─。11日、広島市西区の鈴が峰公民館で、東日本大震災の被災地に伝わっていた昔話・民話100本と震災・福島第一原発などにまつわる40本の紙芝居を制作して被災地に贈り続けてきた広島市在住の紙芝居作家・福本英伸さんが、制作のきっかけや歩み、被災者の現在の様子や抱える悩み、今後への思いを来場者に伝えた。同公民館主催。
 福本さんは、市民団体「まち物語制作委員会」の代表。今も被災地に足を運ぶ。同公民館での講演では、避難所生活していた女性のエッセーを紙芝居化後アニメ化した「見えない空の下で」を上映。2016年冬に訪れた避難区域や福島第一原発の写真なども紹介した。避難者たちから集めた声や思い、苦しさなど分断と関係破壊の例を次々に挙げた。
 被災地で農業を営む祖父が出来上がった野菜を遠方の孫に食べてほしいと送る。受け取った母親は食べさせたがらない。
 農村の大きな家で一緒に暮らしていた家族が震災と原発事故で離れ離れになった。故郷に戻る時が来るが、戻りたくない…。
 震災前から仲が良く避難所でも協力して生活してきた家同士。1本の道路が避難区域指定の家とそうでない家を分けた。賠償金の有無なども理由に仲違いしていく。
 これまで外部からの支援に「ありがとう」と心からの感謝の言葉や活動を繰り返してきた被災者。徐々に被災以前のような生活を取り戻しつつある人たちもある。だが、今後も支援グループが訪れる度、被災者たちがまた集わなければならない。「ずっと感謝の気持ちを持ち続ける生活がいつまで続くのか」と苦しむ人もある。
 被災者受け入れに最初は好意的だった避難先の住民たち。長引くにつれて「被災者出て行け」などと言う人も。避難先に家を購入して定住を決めた被災者が近隣から孤立したり、被災者と周囲に知られないように離れたバス停を利用せざるをえない追い詰められた状況。
 双葉郡大熊町の原発設置までに現地で見え隠れしていた「ヒロシマ」の影を描いた紙芝居についても話した。
 もともと広島で町興しの紙芝居を作っていた福本さん。津波のニュース映像を見て「地域の物語が消えてしまう。今ならまだ救い出せるのではないか」と思ったのが被災地に向かったきっかけ。「広島市中心部に物語が少ないのは原爆で一瞬にして記録や覚えている人が消えたから」。
 被災後の浪江町で救助活動の消防団員たち。原発事故で自分たちが非難せざるをえず「助けることのできる命を助けられなかった」という慚愧(ざんき)の念を描いた「無念」は、フランスで招待上映もされている。
宮島街道ニュース

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