古江新町の歌を住民が合唱録音
CD化「ふるさとへ愛着育んで」
完成後配布し行事でも利用
2018年07月06日
老若男女の住民が集い、年数を重ねた暮らしや場所の思い出と「わが町」への思いを込めてふるさとの歌を録音した
【西区】「古江新町ここがふるさと」─。老若男女50人余りの歌声が広島市西区の古田公民館に響いた。同区の古江新町町内会(河村浩二町内会長)の歌をCD化するため6月30日、合唱し録音した。完成したCDを配り、町内行事でも曲を流すなど、大人はもちろん、子どもにも幼いころから耳にしてもらい、地元への愛着を育む一助にするのが狙いだ。
同名の歌を作詞・作曲したのは、同公民館職員の為政久雄さん。町の名前ができて五十周年の2011年、記念して制作した。これまでも催しの際に流すことはあった。町内会がもっと住民に親しんでほしいと昨年から定期的に町内放送などでも流したそうだ。
CD化には、広島市の助成を受けている。
合唱メンバーを募集し、希望者にはあらかじめ原曲CDを渡して練習してもらった。今年に入って数回に分けて合唱練習した。
当日は、赤ちゃんからお年寄りまでが集った。小学生が半分を占めた。プロによる録音とあって、音の反響などにもこだわり足音がしないよう床にカーペットを敷いたり壁にカーテンをしたり。歌詞カードのガサガサする雑音なども防ごうと、参加者の目の前にスライドで歌詞を大きく映すようにした。
合唱指導した木村美子さんのピアノと為政さんのギター生演奏で最後の練習。木村さんが、「歌詞に合わせて場所や思い出を自分で思い浮かべて。古江新町の地名は、2番の最後にしか出てこない。しっかり歌って」と伝えた。参加者は顔を上げて口を大きく開いて声を出していた。
昭和50年代から住んでいる男性(76)は、「演歌なら得意なんですがフォーク調に苦労した」と笑いながら、「もう孫も社会人。歌詞にある電車の音や公園にいろんなことを思い出した」と言う。小学2年生と生後十カ月の娘2人と参加した女性(38)は嫁いで八年目。「交通の便や医者、買い物などとても便利で治安も良く子育てしやすくて住みやすいです」と気に入っている。
河村会長は、「古江新町は転勤族が多いというイメージがあるが、子どものころから歌になじんで離れてもふるさととして意識してもらいたい」と願う。
同町内会の丸山博司さんも「歌が町全体に広まり、その中で子どもたちを育み、将来も歌を思い出してふるさとを大切にしてもらうことができるようになればうれしい」と話していた。
CDには、住民の合唱と為政さん演奏・歌、松本憲治さんによるピアノ演奏の3曲を収録する予定という。