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[西広島タイムス発行人・沖野有紗が見つけたわくわくPEOPLE] 冒険起業家 植田 紘栄志(ひさし)さん

2020年12月11日


【幸運をつかむ能力が挑戦を後押し】

 「おそらく僕、『セレンディピティ』が高いんだと思います」と、冒険起業家はほほ笑んだ。セレンディピティとは偶然の幸運をキャッチする能力という。スリランカの王子様を題材にした童話から作られた言葉だ。ラッキーな出来事に遭遇するのは『棚ぼた』とよく聞くが、植田さんによれば「腕力や脚力のように能力の一つ」なのだ。
 植田さんを紹介する際に、スリランカは外せない。20歳代のころ、東京都で偶然出会ったスリランカ人に1万円を貸したことから、スリランカ国家をも巻き込み、現地のゴミ環境問題を解決するペットボトルリサイクル事業をスタート。紆余曲折を経て、ゾウの排泄物から作る「ぞうさんペーパー」を商品化。スリランカのゾウと人々の共存の一助になっている。植田さんは、動物園やミュージアムなどに商品を売り込む傍ら、その活躍が各種メディアに取り上げられた。

<地方こそ世界へ発信を>

 東日本大震災後、祖父母の出身地である北広島町に家族で移住。「芸北ぞうさんカフェ」を営む中、自然と共に生きる地方ならではの良さを体感した。「地方こそ世界を目指すべきだ」と、二年前、『世界でもっとも田舎にある出版社・ぞうさん出版』を立ち上げ、植田さんのこれまでのいきさつをまとめた「ゾウのウンチが世界を変える」を発行した。先ほど、「紆余曲折」と表したが、その一言で決して収まらない二転三転する壮大な展開と、植田さんのセレンディピティの強さが垣間見える一冊だ。「良いスマイルをしているか、夢を言いふらしているか。言ったことを実行し、実行したら結果を出すということを何回も繰り返す」。セレンディピティ能力を強くする方法という。
 植田さんの強い能力が働きメジャーレーベルとなったぞうさん出版は、アジアの人々が興味を持つような出版物でベストセラーを目指す。「世界的有名人にオファーした本を、この過疎化した田舎の出版社から出す」と意気込む。
 新しい事業を展開するとき、リスクヘッジという名目で、やらない理由探しをしてしまうことがある。植田さんは、深く考えずとりあえず行動することを勧める。「行動すると、目的に辿りつかなくても別の何かが必ずお土産を持ってくる。始めないと、セレンディピティも始まらない」。
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